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グリーストラップ清掃

正しいグリーストラップ清掃の方法とは?仕組みや注意点を解説

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飲食店の仕事をしている方は、グリーストラップと聞くと、すぐにイメージが湧くかと思います。
あまり想像したくないですし、可能なら、なるべく触りたくはないですよね…。

しかし、グリーストラップの清掃は、衛生的にお店を経営するためにも非常に大切なので、絶対に怠ってはいけません。

今回は、グリーストラップの正しい清掃方法がいまいちよくわかっていない、という方のために、知っておきたいグリーストラップの基礎知識から、部位別の清掃方法、清掃時の注意点について解説していきます。

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この記事の執筆者

仕上舎 サービススタッフ

仕上舎は、水まわりに関する事業を行う会社です。24時間365日年中無休体制で、水道・水まわりの緊急トラブルに対応する[水道救急センター]とそれを支えるコールセンターの『水道救急対応部門』を中心に、家庭とオフィスの水まわりの安心に寄与してまいります。



グリーストラップの役割と仕組み

グリーストラップの役割と仕組み

グリーストラップは、飲食店などの厨房に設置されている業務用の装置です。

油脂や残飯、野菜くずなどの生ごみが直接、下水道に流れないように一時的に溜めておく仕組みになっています。

グリーストラップの全体の構造としては、大きな水槽の中に仕切り版が2枚あり、水槽が3つに分けられているようなイメージに近いです。
そして、水槽の底は水が流れるように空間が空いています。

グリーストラップは、3つの槽で構成されています。 1つ目は、残飯や野菜くずなどの生ゴミを、金網のバスケットで受ける第一槽。

2つ目は、水よりも軽い油脂が水面に浮かぶ性質を利用して2つを分離し、油脂がその先に流れ出ないようにする第二槽。

3つ目は、パイプ状のトラップによって下から水を流し、更に水と油脂を分離した後、下水道へ排水する第三槽というように、それぞれの槽は異なる役割を担っています。

グリーストラップ清掃の方法

グリーストラップ清掃の方法

グリーストラップは、槽によって構造や留めるものが異なるため、各槽に適した方法で掃除する必要があります。 第一槽、第二槽、第三槽それぞれの正しい清掃方法について、ご説明していきます。

第一槽の清掃

残飯や野菜くずなどを受け止める役割を果たす第一槽のバスケットは、毎日(1日1回)掃除をして、溜まった固形物を取り除きましょう。

バスケットには食べかす以外にも、誤って流してしまった箸やストローが溜まっている場合があります。

また、バスケットに被せるためのネットを利用すると、掃除が楽になります。

ネットの使い方は、家庭のシンクの排水溝と同じです。

ネットをバスケットに被せたら、あとは掃除の際に、ネットごと溜まったごみを捨てれば完了します。

第二槽の清掃

水と分離した油脂が溜まっている第2槽目は、基本的に2〜3日に1回は清掃するようにしましょう。

油を比較的多く使用するラーメン店や居酒屋、焼き肉屋などは、より頻繁に清掃することが望ましいです。

清掃方法は、水の表面に浮いた油脂を、ひしゃくやストレーナーといった道具を使い、すくいあげて取り除きます。

また、第2槽の底面には沈殿物が溜まっていきます。
沈殿物が溜まっていることが確認できたら、速やかに、ひしゃくなどで除去しましょう。

水槽の底から汚れを掻き出す作業は結構大変ですが、底面の沈殿物は悪臭の原因になるので、清掃を怠らないようにしてください。

第三槽の清掃

第3槽にある、トラップ管と呼ばれる排水管の中は、油脂がこびりつくことによって、ヌメリが発生します。

油脂が溜まって固まると、排水管の詰まりにつながる可能性があるため、2〜3ヶ月に1回はトラップ菅内を清掃しましょう。

清掃方法としては、トラップ管の清掃口のキャップを外し、ブラシなどで内部の汚れをこすって落とします。

清掃口のキャップは、管内の悪臭が漏れ出すことを防ぐ役割があるので、清掃後、忘れずにつけるようにしましょう。

グリーストラップ清掃時の注意点

グリーストラップ清掃時の注意点

グリーストラップを清掃する際には、自治体が定めたガイドラインにある清掃方法や清掃頻度、廃棄物の処理方法を確認する必要があります。

また、清掃時に発生する悪臭の対策もしなくてはなりません。

悪臭を広げないための対策法と、廃棄物の処理法について詳しく解説していきます。

グリーストラップの悪臭を広げない

グリーストラップを清掃する際は、それぞれの槽のフタを開けて溜まった固形物や油脂を除去する必要があるため、グリーストラップ内の悪臭が外に漏れてしまいます。

この悪臭が、食事中または食事前のお客さんの方まで広がってしまったら、美味しい料理が台無しです。

お店に対する印象も一気に悪くなり、客足が遠退くなど、売り上げに大きな打撃を与えてしまいます。

グリーストラップの清掃は、できる限り営業時間外に行うことが望ましいです。

しかし、時間や人手の不足で、営業時間内に清掃する必要がある場合には、十分に換気をしながら行いましょう。

廃棄物を正しく処理する

グリーストラップ清掃後に出たゴミの中には、産業廃棄物として扱わなくてはいけないものがあるので注意してください。

第1槽目のバスケットに溜まった残飯や野菜くずなどの固形物は、生ゴミとして一般のゴミと一緒に捨てても問題ありません。

しかし、第2槽目に浮いた油脂と、第1槽目と第2槽目の底に溜まった沈殿物は、産業廃棄物です。

産業廃棄物を処理するためには、資格が必要になるため、専門の業者に依頼して、適切な処理をしてもらいましょう。

グリーストラップの清掃を怠ると大変なことに

グリーストラップの清掃を怠ると大変なことに

もし、グリーストラップの清掃をサボってしまうと、どのようなことが起こるのでしょうか。

まず、溜まった残飯や油脂が固まってヘドロ状になり、配管がつまる原因になります。
そして、そのヘドロは強い悪臭を放ち、お店全体に広がってしまう可能性も。

また、残飯や油脂が固まると、ゴキブリやコバエ、ハエなどの害虫の繁殖場所となり、お客さんの気分を著しく害します。

きちんと清掃しているお店でも、害虫の進入を完全に防ぐのは難しいのは確かです。

しかし、もしも店内で害虫を何匹を見かけるようなことがあれば、お客さんは二度と来てくれないと思った方がいいでしょう。

さらに、グリーストラップの汚れを放置することで、下水へ油脂が流れ出て、河川を汚染してしまう可能性もあります。

グリーストラップの清掃は、お店の売り上げを落とさないためにも重要なのです。

グリーストラップ清掃業者への依頼を定期的に

グリーストラップ清掃業者への依頼を定期的に

グリーストラップをちゃんと掃除していても、汚れの取り残しがある場合があります。

それが蓄積して固まると、自分達では清掃が難しい状態になることも。

そんな時は、グリーストラップ清掃の専門業者に依頼するのがいいでしょう。

専門業者にお願いすれば、固形物や油脂をバキュームで吸い取る、専用の洗剤で固まった汚れを落とすといった対応をしてくれます。

業者を選ぶ際には、産業廃棄物処理業の許可を持った業者か、過去の清掃実績はどれくらいか、作業前の現場調査をしてもらえるかといった点を確認し、信頼できる業者を選びましょう。

専門業者の清掃でグリーストラップ内がキレイになると、店側の清掃もしやすくなるので、定期的に業者に依頼するのがおすすめです。





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