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排水管清掃を定期的に行っている、または清掃したばかりなのに詰まりやすいといったことがあれば、配管そのものに原因がある可能性があります。
配管内の劣化や腐食、汚れの付着は外からは確認できないため、定期的な配管内調査が必要です。 本記事では、配管内調査の必要性や、調査方法の種類、業者を選ぶ際のポイントについて解説します。
配管内調査はなぜ必要?
配管内調査では、肉眼では確認できない配管内の様子を、専用の機械・器具を使って調査します。
配管の劣化は外部からはわからないため、長年放置してしまうと、漏水被害など大きなトラブルに繋がる可能性があります。
劣化の進行状況は各配管によって違うので、定期的に配管内調査を行いましょう。
配管内調査をしっかり行うことで、配管を長持ちさせることができます。
配管内調査の種類
配管内調査の方法にはいくつか種類があり、破壊検査と非破壊検査が存在します。
破壊検査とは従来からある方法で、配管を切るなどして物理的に破壊してから調査する方法です。
一方、非破壊検査は、機械を用いて配管を物理的に壊すことなく調査できるので、時間やコストを削減できます。
非破壊検査には、配管の内側から調査するものもあれば、外側から調査するものもあります。
配管内調査の種類について、詳しくご説明していきます。
内視鏡調査
内視鏡調査とは、実際に目で見ることができない配管内を、ファイバースコープやビデオスコープなどの機械を使って観察する調査方法です。
配管やダクトに用いられることが多く、配管内の劣化や腐食状況、汚れ、閉塞状況といった不具合を確認するのに適しています。
内視鏡調査の手順としては、まず、ファイバースコープなどの機械を挿入できる箇所を選定します。
配管であれば止水栓や掃除口、ダクトであれば吹出口などからスコープを挿入。
配管内をスコープで見ていき、錆こぶ(腐食)、汚れの付着、継ぎ手部の劣化などの異常が確認できたら、写真を撮って記録します。
昔は、配管内調査をする際に、床や壁に穴を開けて確認する必要があったのですが、このような機械の普及により、手軽に調査をすることが可能になりました。
超音波肉厚測定調査
超音波肉厚測定調査は、配管外面に超音波肉厚測定器の探触子(超音波を発信・受信する振動子が組み込まれたセンサー)を当て、配管の厚さを測定する調査方法です。
超音波を使って、現在の配管の厚さを確認することにより、浸食がどれほど進んでいるかを確認し、寿命を算出します。
主に、SGPと呼ばれる炭素鋼鋼管などの設備配管や鋼製の容器に用いられる調査方法です。
超音波肉厚測定調査をするにはまず、配管の表面を調査しやすいように準備します。
配管表面は塗装や保温材で覆われているので、それらを剥がし、ワイヤーブラシやサンドペーパーで、表面を滑らかにします。
滑らかに整えた配管表面に、測定器の探触子を当てて、配管の内側に向けて超音波を発生させ、跳ね返ってくる時間から配管の厚さを算出するのです。
X線調査
工業用のX線装置を用いて配管内を透過撮影し、腐食状況を調査する、X線調査という方法もあります。
主な対象は、設備配管です。
超音波肉厚測定調査と同じように、調査する配管表面の保温材やラッキング(断熱材保護のために巻く薄い金属)を剥がして、配管表面を露出させます。
調査する配管の後方にフィルムをセットしたら、前方からX線を照射。
数分後、フィルムを外して現地で現像することで、配管内の腐食状況や異物の有無を確認できるのです。
X線を使用することから、場合によっては、調査中は立ち入り禁止区間を設ける必要が出る可能性もあります。
抜管調査
抜管調査とは、配管を切断し、サンプルをとって調査する破壊検査で、サンプリング調査とも呼ばれます。
樹脂管以外の設備配管全般が対象です。
抜管調査の手順はまず、配管の外面を目で見て観察し、写真を撮ったら、配管をノコギリで縦に二分割し、その内部も写真に記録します。
配管を切る際には、内部の錆こぶや汚れが落ちないように気をつけなければなりません。
配管を縦に二分割することで2つのサンプルができるので、その片方を塩酸で洗い、錆を取り除きます。
塩酸で洗った後の様子を肉眼で観察し、また写真に記録。
塩酸で洗った配管には、腐食により減肉している部分があるので、そこをデジマチックポイントマイクロメーターという計測器で測定し、配管の寿命を算出するのです。
抜管調査は、配管内を直接調査できる上、管理者や住民が肉眼で見ても状況がわかりやすいという利点があります。
しかし、配管を実際に切断するため、普及作業が必要になり、その間は配管の使用を停止しなければなりません。
配管内調査を依頼する際のポイント
配管内調査を依頼する場合、どのような基準で業者を選んだら良いのでしょうか。
まずチェックしたいポイントは、年間の施工実績数です。
施工実績が多ければ、それだけ名が知れていて、サービスの質が高い業者であると言えます。
また、最新の機械を使った調査が可能かどうかも、事前に確認しておきましょう。
配管の状態によって、適した検査方法は異なりますが、選択肢が多ければ、コストを抑えられる可能性もあります。
まとめ
配管内調査を定期的に行うことで、配管の劣化、腐食、汚れによるトラブルの予防になります。
配管からの漏水が大規模になれば、壁や床などの取り替えが必要になる上に、漏電などの危険もあります。
二次被害を起こさないために、定期的な配管内調査で、配管を安全な状態に保ちましょう。
マンション、ビル、住宅のいずれも対応可能なので、ぜひ利用してみてください。