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トイレの水がたまらず、排水ができなくて困っていませんか?
トイレの水がたまらない場合、原因によっては自分で対処することが可能です。
今回はトイレのタンクや便器に水がたまらない原因と対処法を紹介します。
トイレの水がたまらないトラブルとは?
トイレの水がたまらないトラブルは、多くの場合、トイレタンクまたは便器に問題があります。
そもそもトイレの排水は、レバーハンドルを回すことでタンク内の水を便器に勢いよく流して排泄物を排水管に流すという仕組みです。
以下の画像のように、レバーハンドルはタンクの底を塞ぐゴムフロートと鎖で繋がれており、レバーを回すとゴムフロートが持ち上がって、排水口から便器に水が流れるようになっています。

排水によってタンク内の水位が下がると一定の位置まで給水されます。
レバーハンドルやタンク内の部品に不具合があると、この一連の流れが通常通りに作動せず、タンクや便器に水がたまらないというトラブルが発生します。
また、便器や排水口につまりが生じていると便器内の水位が下がってしまうこともあります。この場合は、トイレつまりの原因や対応策についてまとめている下記記事を参考にしてください。
>>トイレが逆流したらどうするべき?やるべき対策とは
応急処置の方法
緊急時や業者が到着するまでの間など、トイレの水がたまらない状況でひとまず排水をしたい場合は、便器に一定量の水を数回流すことで対応できます。
- バケツ1杯分(5〜6リットル程度)の水を用意し、便器に勢いよく流し込む
- バケツ2/3杯分(3〜4リットル程度)の水を用意し、再度便器に勢いよく流し込む
この方法でしばらく凌ぐ場合は、排泄物が排水管内で滞留することを防ぐため、トイレを2〜3回する度にバケツ2杯分(10〜12リットル程度)の水を流しましょう。
ただし、便器・排水管のつまりが原因の場合は便器から水が溢れ出してしまいます。この方法は使用せず、つまりの除去を優先して行いましょう。
また、これはあくまで応急処置のため、正しく対処して不具合を改善することを推奨します。
トイレの水がたまらないときに確認すべき2つのこと
トイレの水がたまらない場合、まずは以下の2点を確認しましょう。
- 止水栓・元栓が閉まっていないか
- 水道管は通常通りか
トイレの止水栓や水道の元栓が閉まっているとタンクに水が供給されません。止水栓や元栓の状態を確認し、閉まっている場合はハンドル・レバーを左に回して開通させましょう。
また、水道工事や点検などによる断水、寒い時期・寒冷地での水道管の凍結、災害による付近の水道管の断裂など、水道管に不具合が生じて水が通常通りに供給されないケースもあります。この場合、基本的には水道管の状態が元に戻るまで待ちましょう。
トイレタンク・便器に水がたまらない原因と対処法

トイレタンク・便器に水がたまらない主な原因は以下の5つです。
- ボールタップ・浮き球(ダイヤフラム)の不具合
- フィルターの目詰まり
- レバーハンドルの不具合
- ゴムフロートの不具合
- オーバーフロー管の不具合
それぞれの原因と解決方法について説明します。
原因① ボールタップ・浮き球(ダイヤフラム)の不具合
ボールタップは給水管とつながっており、タンク内へ給水・止水するための部品です。レバーの先端に付いている浮き玉が水位の変動とともに上下し、浮き球の位置に応じて給水・止水をする仕組みになっています。
経年劣化や故障などにより、ボールタップや浮き球(ダイヤフラム)に不具合が生じていると水が正しく供給されません。
この場合の対処法として、今回紹介するのは以下の2つの方法です。
- 浮き球の調整
- ボールタップ・浮き玉の交換
なお、最近では浮き球の代わりにダイヤフラムが設置されているケースが多く、この場合はダイヤフラムを交換します。
対処法①浮き球の調整
浮き球が他の部品に引っかかっていたり、ボールタップのレバーから外れていたりする場合は、浮き球の位置を調整することで症状が改善されます。
浮き球の調整手順は以下の通りです。
- 止水栓を閉める
- タンクの蓋を開ける
- 浮き球が他の部品に引っかかっていたら外す
- タンク内の水位を標準水位(オーバーフロー管に入ったライン)に調節する
- 調整ダイヤル付きタイプ:ダイヤルを回して水位を調整
- 調整ネジ付きタイプ:ネジを右回しで水位が上がり、左回しで下がる
- 調整リング付きタイプ:リングを右に回すと水位が上がり、左に回すと下がる
- ナット調整タイプ:ロックナットを緩めて浮き玉の位置を調整し、再度ナットを締める
- 止水栓を開けて水位や水漏れを確認する
- 問題がなければタンクの蓋を閉める
対処法②ボールタップ・浮き玉の交換
ボールタップや浮き球が故障している場合は、新品に交換して対処します。
ボールタップ・浮き玉の交換手順は以下の通りです。
- 止水栓を閉める
- レバーを回してタンク内の水を空にする
- タンクの蓋を外す
- ボールタップから手洗い管を取り外す
- 給水管と止水栓・タンク(ボールタップ)を接続する各ナットを緩める
- 給水管を止水栓・タンク(ボールタップ)から取り外す
- ボールタップを固定しているナットを緩める
- ボールタップ本体を取り外す
- 接続部にパッキンをはめて新しいボールタップを取り付け、ナットを固定する
- 給水管を止水栓・タンク(新しいボールタップ)に取り付けて各ナットを締める
- 手洗い管と新しいボールタップを接続する
- タンクの蓋を閉める
- 止水栓を開けて水漏れを確認する
原因② フィルターの目詰まり
止水栓の内部やボールタップの接続部には、水道水に含まれるゴミや不純物を取り除くため、フィルターやストレーナーと呼ばれる網目状の部品が設置されています。
経年によってフィルターの劣化や網目のつまりが生じていると水の流れが悪くなり、タンクに水がたまりにくくなります。
この場合の対処法として、今回はフィルターの掃除・交換方法を紹介します。
対処法:フィルターの掃除・交換
トイレの止水栓・ボールタップに内蔵されているフィルターの掃除・交換手順は以下の通りです。
- 止水栓を閉める
- 止水栓の分岐金具の蓋を外し、フィルターを取り出す
- レバーを回してタンク内の水を空にする
- タンクの蓋を外す
- ボールタップ給水管をつなぐナットを緩めてフィルターを取り出す
- フィルターを歯ブラシでこすって綺麗にする
- フィルターが劣化している場合は新品に交換する
- それぞれのフィルターを元の位置に設置する
- タンクの蓋を閉める
- 止水栓を開けて水漏れを確認する
原因③ レバーハンドルの不具合
レバーハンドルとゴムフロートをつなぐ鎖が切れる・他の部品にひっかかっているなどの不具合が生じていたり、そもそもレバーハンドル本体が故障していたりすると、レバーを回してもタンク内の水が便器に流れないというトラブルが発生します。
この場合の対処法として、今回紹介するのは以下の2つの方法です。
- レバーとゴムフロートをつなぐ鎖の調整・交換
- レバーハンドルの交換
対処法①レバーとゴムフロートをつなぐ鎖の調整・交換
レバーとゴムフロートをつなぐ鎖を調整・交換する手順は以下の通りです。
- 止水栓を閉める
- タンクの蓋を外す
- タンク内の水をできるだけ流す
- 鎖が他の部品に引っかかっていたら外す
- レバーから鎖を取り外す
- ゴムフロートから鎖を取り外す
- 新しい鎖をゴムフロートに取り付ける
- 新しい鎖をレバーに取り付ける
- 鎖の長さをたわむ程度に調節する
- タンクの蓋を閉める
- 止水栓を開けて水漏れを確認する
対処法②レバーハンドルの交換
故障したレバーハンドルを交換する手順は以下の通りです。
- 止水栓を閉める
- タンクの蓋を外す
- タンク内の水をできるだけ流す
- レバーに接続している鎖を外す
- レバーを固定しているナットを緩める
- レバー本体を取り外す
- 新品のレバーを取り付けてナットを閉める
- 新品のレバーと鎖を接続する
- タンクの蓋を閉める
- 止水栓を開けて水漏れを確認する
原因④ ゴムフロートの不具合
ゴムフロート(フロートバルブ)はタンクの底にある排水口を塞いでおり、チェーンで持ち上げられることによってタンク内の水を便器に排水しています。
ゴムフロートは経年によって縮んだり水に溶けてしまったりするため、このような形状の変化によって排水口を塞ぎきれず、タンク内の水がチョロチョロと便器に流れてしまうことがあります。
トイレタンクの水がたまらないほどの水量ではありませんが、水道代が高騰する原因になるため、この場合はゴムフロートを交換して対処することがおすすめです。
対処法:ゴムフロートの交換
ゴムフロートの交換手順を紹介します。
- 止水栓を閉める
- レバーを回してタンク内の水を空にする
- タンクの蓋を外す
- レバーに接続されている鎖を取り外す
- ゴムフロート本体を取り外す
- 新しいゴムフロートを設置する
- レバーに鎖を接続する
- 鎖の長さをたわむ程度に調節する
- タンクの蓋を閉める
- 止水栓を開けて水漏れを確認する
原因⑤ オーバーフロー管の不具合
オーバーフロー管とはタンク内にある筒状の部品のことで、タンク内の水位が標準ラインを超えた際に水を便器に排水して水量を調節します。
オーバーフロー管に亀裂が入る・折れるなどの不具合が生じると、オーバーフロー管を通してタンク内の水が便器に排水され続けてしまいます。
タンクの水がたまらないだけでなく、水道代高騰の原因にもなるので、この場合は早めにオーバーフロー管を交換することがおすすめです。
対処法:オーバーフロー管の交換
オーバーフロー管の交換手順は以下の通りです。
オーバーフロー管は他の部品に比べて破損しやすいため、十分に注意して作業しましょう。
- 止水栓を閉める
- レバーを回してタンク内の水を空にする
- タンクの蓋を外す
- 給水管とタンクをつなぐナットを緩める
- 給水管をタンクから取り外す
- タンクと便器をつなぐナットを緩める
- タンクを便器から取り外す
- オーバーフロー管をタンクから取り外す
- 新しいオーバーフロー管を取り付ける
- タンクを便器に設置し、タンクと給水管をつなぐ
- タンクの蓋を閉める
- 止水栓を開けて水漏れを確認する
タンクレストイレに水がたまらない原因と対処法

貯水タンクのないタンクレストイレは、水道管から便器に水が直接流れ、内蔵されている電気系統の部品と水道の水圧で水の勢いをつくり排水します。
タンクレストイレに水がたまらない場合、主な原因は以下の2つです。
- 電気系統のトラブル
- 水圧の不足
それぞれの原因と解決方法について説明します。
原因① 電気系統のトラブル
タンクレストイレは、内部にバルブやポンプなどの電気系統部品が備えつけられています。
これらが故障すると排水できないトラブルにつながるため、部品の交換が必要です。
対処法:業者に修理依頼
電気系統の部品の交換は難易度が高いため、専門的な知識を持つプロに依頼することを推奨します。
また、タンクレストイレの部品は一定期間を過ぎると廃盤になり、製造されなくなるため、その場合は便器本体の交換が必要になります。
下記記事では、便器交換にかかる費用を便器の種類ごとに解説しているのでぜひ参考にしてください。
>>マンションの便器交換にかかる費用とは?
原因② 水圧の不足
タンクレストイレの排水には、水道管の水圧の強さが重要になります。
築年数の古い建物やビル・マンション・戸建ての2階以上の階などは、排水に必要な水圧の確保が構造上難しいため、水圧の弱さが原因で水の流れが悪くなる可能性が高いです。
タンクレストイレの水圧が不足している場合は、一時的に排水できないことが多いので一旦待ってから流してみましょう。症状が改善されない場合は便器の交換を推奨します。
対処法:便器の交換
タンクレストイレの水圧不足によるトラブルを繰り返す場合は、タンク式トイレへの交換を検討しましょう。
ただし、水道管にトラブルがある可能性もあるため、一度業者に点検を依頼してみることもおすすめです。
トイレのトラブルを放置するリスク
トイレの水がたまらない・たまりにくい状態を放置していると、排水時の水量が通常よりも少ないため、トイレットペーパーや排泄物が排水管でつまる危険性が高まります。
また、便器の底に封水が十分に溜まっていない状態やつまりなどのトラブルを放置していると悪臭の原因にもなります。
このように、トイレの水がたまらない状態を放置していると別のトラブルの原因になることもあるので、早めに対処しましょう。
自分での対処が難しい場合はプロに修理を依頼しよう
自分で対処することによって修理費用を浮かせられますが、難易度の高い修理やトイレ修理に慣れていない方は無理せず業者に依頼することがおすすめです。
作業中に他の部品を破損させてしまったり、水漏れなどのトラブルを起こしてしまったりすると高い修理費がかかってしまう可能性があります。
水道救急センターでは、タンク内・タンクまわりの部品交換や便器・タンクの交換、トイレのつまり除去に対応しています。
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