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近年、手をかざすだけで水が出る「タッチレス水栓」が、一般家庭や公共施設で注目を集めています。非接触で衛生的、しかも節水効果も高いことから、暮らしの質を向上させる便利アイテムとして人気が高まっています。
とはいえ、実際に自宅で導入を検討するとなると「どうやって動くの?」「本当に使いやすいの?」という疑問もあるかもしれません。
この記事では、タッチレス水栓の仕組みやメリット、選び方のポイントまでわかりやすく解説します。
タッチレス水栓とは?

タッチレス水栓とは、蛇口に触れずに手をかざすだけで水を出したり止めたりできる自動水栓のことです。
主にセンサーによって手の動きを感知し、吐水や止水をコントロールします。従来のレバー式やハンドル式とは異なり、汚れた手で蛇口に触らなくてもよいため衛生的です。
近年では、公共施設や医療現場などだけでなく、住宅のキッチンや洗面所などでも導入が進んでおり、衛生意識の高まりとともに注目度が上がっています。使い勝手のよさや清潔さ、経済的な面からも、今後ますます普及していくと考えられます。
タッチレス水栓にするメリット

キッチンや洗面台などをタッチレス水栓にすることで、利便性が高まります。下記では具体的なメリットを3つご紹介します。
衛生的に使える
タッチレス水栓のメリットは、蛇口に直接触れることなく操作ができる点です。手をかざすだけで水が出るため、調理中で手が汚れているときや、外出から帰宅した直後などでも、蛇口を汚すことなく手洗いが可能です。
細菌やウイルスの付着を防げるため、家族全員が安心して使用できる衛生的な設備といえるでしょう。特に風邪やインフルエンザ、感染症が気になる季節には、効果を実感しやすくなります。
手を洗った後に蛇口を触って再度汚れるということがなく、衛生管理の質を高めてくれるでしょう。
節水効果が高い
タッチレス水栓は、水が必要なときにだけ自動で出し、使用後はセンサーによって自動で止水される仕組みのため、無駄な水の使用を大幅にカットできます。
従来の手動式水栓では、手を洗っている最中に蛇口を開けっぱなしにしてしまうことが多く、水の無駄遣いにつながっていました。
しかし、タッチレス水栓であれば、必要なときだけ水が出るため、節水意識が自然と高まり、結果的に水道料金の節約にもつながります。
なお、4人家族を想定し、1人あたり1日の手洗いなどの水栓使用回数を6回と仮定した場合、通常の手動水栓とタッチレス水栓の年間使用水量には以下のような違いが生まれます。
- 通常の水栓での使用量:(2L/回 × 6回/日 × 4人) × 365日 = 約17,520L/年
- タッチレス水栓での使用量:(1L/回 × 6回/日 × 4人) × 365日 = 約8,760L/年
つまり、タッチレス水栓を導入することで、年間で約8,760L(=約8.76m³)もの水を節約できます。
東京都水道局の水道料金(1m³あたり213円)で換算すると、約1,867円の節約が可能です。
参考:東京都 水道局|水道料金・下水道料金の計算方法(23区)
利便性の向上
タッチレス水栓は、手がふさがっていたり汚れたりしているときでも手をかざすだけで水が出るため、生活の利便性が格段にアップします。
蛇口を回したりレバーを操作したりする手間がなく、子どもや高齢者でも簡単に扱えます。最近ではセンサーの感度や水量の調整、温度設定なども進化しており、自分の生活スタイルに合った操作性が選べるのも魅力の一つです。
ちょっとしたストレスを軽減できることから、日々の生活の中で利便性を実感する場面が増えるでしょう。
タッチレス水栓の注意点とデメリット

タッチレス水栓を導入する前に、注意点やデメリットも知っておきましょう。
設置費用が高め
タッチレス水栓は、通常の水栓と比べて本体価格が高く、設置にも専門的な工事が必要になるケースが多いため、初期費用が高めになる傾向があります。
特に後付けの場合は、電源の確保や配線の調整などが必要となることもあり、追加の施工費用が発生するかもしれません。
メーカーやモデルによって価格差はありますが、本体のみの費用相場は5万〜10万円なので予算を考えておく必要があります。
センサーの誤作動・反応の遅さ
タッチレス水栓はセンサーで動作するため、手の位置や動きによって反応がうまくいかないことがあります。特に、安いモデルやセンサー感度の設定が適切でない場合、意図しないタイミングで水が出たり、反対に反応しなかったりといった誤作動が起こることもあります。
また、湿度や照明、設置場所の環境によって感度が変わることがあるため、反応が鈍いと使用感にストレスを感じるかもしれません。使用前にはセンサーの範囲や感度を調整し、実際の使用環境に合っているかどうか確認することが重要です。
メンテナンス・電池交換の必要性
ほとんどのタッチレス水栓は、センサーを動かすために電力が必要となります。電源コードではなく、電池式では定期的に電池の交換をしなくてはなりません。
特に、使用頻度が高い家庭では電池の消耗も早く、数カ月ごとの交換が必要になることもあります。また、長期間の使用によってセンサー部や吐水口の汚れが原因で動作不良を起こすこともあり、こまめな清掃とメンテナンスが不可欠です。
停電時は使用できない可能性も
タッチレス水栓の多くは電気によって動作するため、停電時には水が出なくなります。
災害時の備えとして、停電時でも使用できる手動切り替え機能付きのモデルや、バッテリーバックアップがあるタイプを選ぶと安心です。
また、乾電池式のモデルであれば停電中でも使用できますが、やはり電池に依存するため注意が必要です。導入前に、非常時の対応方法を確認しておきましょう。
タッチレス水栓の種類は主に3つ

タッチレス水栓は大きく分けて3つの形状があります。それぞれに特徴があるため、用途や設置場所に合わせて選ぶことが大切です。
種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
ストレート型 | ・水栓本体がまっすぐ伸びたシンプルな形状で、従来の蛇口に近いデザイン ・レバーが上部に付いていることが多く、洗面台やキッチンで使いやすい |
シンプルで設置しやすく、場所を選ばず導入できる | 吐水口が低いため、大きな鍋や調理器具の洗浄には不向きな場合がある |
L字型 | ・水栓が横方向に出た後、直角に下向きに曲がっている形状 ・人気のある形状で、キッチンを中心に広く採用されている |
吐水口が高く、大きな鍋やフライパンも洗いやすい | 高い位置から水が出るため、水はねしやすい傾向がある |
グースネック型 | ・ガチョウの首のように緩やかに湾曲したデザインで、見た目にも美しい ・デザイン性を重視するユーザーに好まれる ・可動域が広く利便性に優れる |
おしゃれなデザインでインテリア性が高く、吐水位置も高くて洗いやすい | 価格がやや高めで、掃除がしにくい |
タッチレス水栓で後悔しない選び方

タッチレス水栓は、多くのメーカーから販売されています。後悔しないためにも選び方のポイントを押さえておきましょう。
使用目的に合わせる
タッチレス水栓を選ぶ際には、使用目的を明確にしておきましょう。例えば、キッチンでの利用なら、食材を扱う際の衛生面や、手がふさがっているときに便利な高感度センサーの有無がポイントです。
洗面所なら、子どもや高齢者でも簡単に使えるか、誤作動しにくいかどうかもチェックします。さらに、吐水時間の調整機能や節水性能も、日常の使い勝手に影響します。設置場所や使用シーンを想定して、必要な機能がしっかり備わったモデルを選ぶようにしてください。
メーカーで選ぶ
タッチレス水栓は、各メーカーからさまざまな製品が販売されていますが、価格や機能性に差があります。代表的な国内メーカーには、TOTO、LIXIL、Panasonicなどがあり、それぞれ独自のセンサー技術や節水機能、デザイン性が異なります。
メーカーによっては、保証期間が長かったり、修理やアフターサポートが充実していたりする点も評価ポイントになるでしょう。
また、既存の設備との互換性や工事のしやすさにも影響するため、リフォームや交換を検討している方は、実績のあるメーカーを選ぶと安心です。ネットの口コミや評判も参考にすると良いでしょう。
水道業者に相談する
初めてタッチレス水栓を導入する方や、どの製品を選べば良いかわからない方は、水道業者に相談するのがおすすめです。専門知識を持つ業者であれば、家庭の使用状況や水道環境に合わせてピッタリの製品を提案してくれます。
また、設置可能なスペースや配管の状況、電源の有無など、素人では判断が難しい部分も丁寧に確認してくれるため、失敗する恐れはないでしょう。
さらに、アフターサービスや故障時の対応まで一括して任せられる業者を選べば、安心にもつながります。複数の業者に相談して比較検討することも大切です。
水道業者の選び方に関して詳しく知りたい方は、下記の記事も併せてご覧ください。
最新のおすすめタッチレス水栓3選
最後に、おすすめのタッチレス水栓を3点ご紹介します。ブランドごとの特徴をチェックしましょう。
LIXIL「ナビッシュ」シリーズ
LIXILの「ナビッシュ」は、国内のタッチレス水栓の中でも高い人気を誇るモデルです。正面から手をかざすだけで水が出る高性能センサーを搭載しており、調理中や手が汚れているときにも快適に使用できます。
また、ハンズフリー操作に加えて、浄水機能が付いたモデルやハンドシャワータイプなど、ライフスタイルに応じたバリエーションも豊富です。スタイリッシュなデザインで、キッチンの見た目も美しく保てます。電源方式は電池式なので、どのような場所にも設置できるのが特徴です。
公式サイト:LIXIL「ナビッシュ」
TOTO「アクアオート」
TOTOが提供する「アクアオート」は、洗面所向けのタッチレス水栓として定評のあるモデルです。非接触センサーによる自動吐水により、ウイルスや菌の接触を防ぎ、手洗いをサポートします。
使用後には、「きれい除菌水」ミストを排水口にふきかけて除菌できるのが特徴です。家庭用はもちろん、施設や店舗などでも利用されているブランドで、アフターサービスも充実しています。
公式サイト:TOTO「アクアオート」
KVK・グローエなどの海外製
タッチレス水栓をデザイン性や独自機能で選びたい方には、KVKやGROHE(グローエ)などの海外製モデルもおすすめです。特にドイツのグローエは、高い品質と洗練されたデザインで世界中から評価されています。
温度調整がしやすい操作性や、エコモードなど環境に配慮した機能も特徴です。一方で、KVKは日本でも人気の高い水栓メーカーで、海外ブランドながら国内でもメンテナンス対応が可能な安心感があります。
まとめ
タッチレス水栓は、手を触れずに操作できることから、衛生面に優れているだけでなく、節水や利便性の向上といった多くのメリットがあります。設置には初期費用や定期的なメンテナンスなどの注意点もありますが、日常生活を快適にしてくれる心強い存在です。
どのタイプがご家庭に合っているか迷ったときは、水道業者に相談するのがおすすめです。
水道局指定工事店の水道救急センターでは、経験豊富なスタッフが、お客様のご要望をしっかりとヒアリングし、タッチレス水栓のご提案から取り付けまで一貫して対応いたします。
TOTOやLIXILなどの信頼性の高い国内メーカーとパートナーシップを結んでいるため、お好みのデザインや機能に合った製品を幅広くご提供できます。
まずはお気軽にお問い合わせください。